panco’s blog

興味が沸いたことを書く

ロータスワンドはなぜ馬名審査をクリアしたのか

ロータスワンド、どこかで聞いた名前・・・

競走馬の馬名は審査を経て登録される。他馬と紛らわしい馬名は審査に通らないんじゃなかったっけ?と疑問に思ったため、馬名審査基準を見てみた。結論を言うと、ロータスワンドが審査通過した理由は迷宮入りだが、馬名審査基準について勉強になったので残しておく。

ワンドちゃんとランドちゃん

ロータスワンドと聞いて、ロータスランドが想起されない競馬ファンはいないだろう。2023年7月15日「函館2歳S」にロータスワンドが出走したが、ロータスランドかと思ったという声がSNSではちらほら。馬にも馬主さんにももちろん罪はないが、ファンからすると少し紛らわしいよね。(数年前の話だが、サンライズノヴァとサンライズソアもややこしかった笑 ローテも被ってたし)

各馬のプロフィール

名前以外の類似点はまるでない2頭。強いて言うなら性別ぐらい。

ロータスワンド ロータスランド
生年月日 2021年2月26日 2017年1月31日
性別
ロードカナロア Point of Entry
ルシュクル Little Miss Muffet
馬主 前田晋二 小林英一ホールディングス
生産者 ノースヒルズ Dr. Aaron Sones & Dr. Naoya Yoshida
産地 新冠 アメリ
調教師 中竹和也 (栗東) 辻野泰之 (栗東)
主な勝鞍 23'2歳新馬 21'関屋記念(G3)

馬名審査について

日本の競走馬の馬名審査は、公益財団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナル(以下、JAIRS)が実施している。馬主さんが愛馬の馬名を登録するには、この審査に通過する必要がある。(代理人による申請も可能だが、委任状が必要)
馬名審査通過後は、馬名登録通知書受領→ JRA or NAR へ競走馬登録→出走→抹消→繁殖登録という流れとなる。

馬名登録審査の注意点

審査基準をひも解く前に、同じくJAIRSが公表する「馬名登録手続きの手引き<全頁>」に記載された「馬名登録審査の注意点」に触れる。
馬名登録審査の注意点としていくつか挙げられているが、その中に「現役の競走馬の名前はつけられません。」「紛らわしい馬名もつけられません。」とある。ロータスランドは現役。ロータスワンドはランドと1文字違い。かなり紛らわしいのだが・・・馬名審査会さん、どういうことですか?!

審査基準を見てみる

JAIRSが公表する「馬名登録実施基準」第4条に審査基準が記載されている。たくさんあるので、今回の疑問に関連する基準を見ていく。

馬名登録原簿に記載されている馬名又はこれらと紛らわしい馬名

馬名登録原簿でググっても全く同じ名前でヒットするものはなかった。推測だが、馬名登録原簿にある馬名は JBISサーチにも登録されているものと思われる。 ロータスランドは当然 JBISサーチでヒットする。ロータスワンド審査時に、この基準に抵触するとならなかったのが疑問。

日本中央競馬会の馬名登録、地方競馬全国協会の馬登録若しくは繁殖登録を受けた馬名又はこれらと紛らわしい馬名

言うまでもなく、ロータスランドは JRA の馬名登録を受けて出走している。ロータスワンドはこの基準もクリアしたことになるが、なんとも不思議。他にもいろいろあるが、上記の他は抵触疑惑のある基準は見当たらなかった。うーん、迷宮入り。悲しい。

競馬マニア界隈では有名な話だが、モルフェオルフェは当初「モルフェーヴル」で申請したが却下されてしまった話がある。これは、審査基準の

父馬・母馬の馬名と同じである馬名又はこれらと紛らわしい馬名

に抵触したものと思われる(父:オルフェーヴル)。「紛らわしい馬名」という点では、ロータスワンド・ロータスランドも同じでは?と思う。しかし、モルフェーヴルは父オルフェの知名度がかなり高い(つまり、紛らわしさを覚えるファンが多数いる)という点から、却下に至ったのではと想像する。(あくまでいち競馬オタクの妄想)

さいごに

ロータスワンド、ロータスランドには頑張ってもらい、ぜひ同じレースに出走することをファンとしては期待する。歳の差あるし現実的にはちょっと厳しいかな。。